勉強会備忘録:営業を科学する(生命保険の営業に学ぶ)

株式会社オンデック様のご紹介で士業向けの勉強会&交流会があり、参加させていただきました。
参加させていただいた備忘録として残したいと思います。

目次

勉強会講師

研修講師の方はプルデンシャル生命保険のY.TさんとH.Mさん。

生保業界営業の厳しさを裏から見てきた立場からすると、生命保険の営業に飛び込む勇気もなく、トップセールスの方々は皆さんコミュニケーション能力がずば抜けている印象であり、感服しますね。

ネットで拝見いたしましたが、プルデンシャル生命では営業の教本であるブルーブックなるものがあるそうですね。

学びと自分の事業に対する当てはめ

主として、営業プロセスに関する講演であり、セールスプロセスの前段について、ご説明いただきました。
ご講演は非常に参考になる情報がたくさんあり、士業の営業という考え方に当てはめて考えてみたいと思います。

製品の購入過程とセールスプロセス

製品の購入過程とセールスプロセス(下記のイメージ)について、以下の通り説明をいただきました。

STEP
不満

購入見込者が抱える製品やサービス等、現状に対する不満が存在する。
例:のどが渇いた、

STEP
欲求

購入見込者が不満を解消したいと思う。
例:のどを潤したい

STEP
決心

購入見込者が不満を行動するための行動を決める。
例:水を購入しようと決める

STEP
購入

購入見込者が実際に行動しお金を出して買う。
例:コンビニへ立ち寄り、商品を購入する

今回の勉強会では、時間的制約からStep1と2についてレクチャーいただきました。
また、別の機会があればStep3,4についても学びたいですね。

Opening Interview(OI)

第一印象は一度きりであり、変えることはできない。従って、購入見込者を飽きさせないことを意識する必要。

おっしゃる通り、Opening Interviewで失敗している場合、次の面談等に進めないことがほとんどな気がします。
情報交換にとどまってビジネスにつながっていない。ということもそれなりにあるというのが実情と思います。

Fact Finding(FF)

Opening Interviewを経て2回目以降の面談では、不満を深堀することになる。ただし、不満の種類や個人が置かれる状況は人によって全く異なるため、表出している不満だけではなく、潜在的なニーズをくみ取ることでニーズを顕在化させる必要がある。そのためには「傾聴力」「質問力」が重要。

確かに、生命保険や医療保険も子供が何人いるか、収入はどの程度か、によってかけるべき保険の金額や内容も変わってきますし、そういった情報もなく、提案することは困難ですよね。
また、潜在的なニーズは自分では気づいていないし、信頼関係のない人には説明しにくい内容であることが多い気がしますので、自身を受け入れてもらう作業(OI)は重要だと思いました。

また、FFをしていく過程で、小さなYesを積み重ねることが大切ということもおっしゃっておりましたが、小さなYesの共有こそが信頼貯金がたまっていくプロセスなんでしょうね。

メラビアンの法則

メラビアンの法則はよく聞く話ではあるものの、実際あまり意識したことがありませんでした。

保険の営業という性質上、まずは保険を売るのではなく、コンサルタントの人となりを受け入れてもらうためには話し方や見た目も重要なのであるということは納得感があります。

この研究は好意・反感などの態度や感情のコミュニケーションについてを扱う実験である。感情や態度について矛盾したメッセージが発せられたときの人の受けとめ方について、人の行動が他人にどのように影響を及ぼすかというと、話の内容などの言語情報が7%、口調や話の早さなどの聴覚情報が38%、見た目などの視覚情報が55%の割合であった。この割合から「7-38-55のルール」とも言われる。「言語情報=Verbal」「聴覚情報=Vocal」「視覚情報=Visual」の頭文字を取って「3Vの法則」ともいわれている。

wikipediaより引用

税理士・公認会計士業への当てはめ

数百円のソフトドリンク1杯を販売する為にOI、FFをすることは現実的ではありません。また、仮にOI、FFしたとしても、サービス提供に必要な原価が限られるため、良い提案をすることもできませんし、シンプルな顕在化しているニーズに対しては効果的ではないと考えます。

従って、売るためのプロセスに一定の時間が必要となるため、本メソドロジーがはまるのは、ある程度付加価値の高い製品(生命保険、不動産、高級車など)に限定されるのでしょうか。

税理士・公認会計士業で考えてみると、高価格帯の顧問報酬を設定している場合や高価格コンサルティングサービスを提供している場合等はOI、FFに基づく潜在的なニーズの掘り起こしこそが、重要であり、今後、選ばれる士業に必要なポイントであると思います。

一方で、低価格帯の顧問報酬を設定している場合は、一定の解約を織り込みつつ、ウェブ広告等を利用したマスマーケティングに基づいた顧客獲得戦略が資するのではないかと考えます。

従って、事務所をどのように運営していきたいかによって、とるべき営業戦略も変わってくるのであろうと感じました。

自社でどうやって行くべきか悩ましいものがありますが、目の前に存在するクライアントや協力関係にある関係者からの信頼を勝ち取る事こそが士業にとって最大の営業になるのではないかなぁと思っています。

最後に、本研修会を企画いただきました株式会社オンデックの舩戸様、中島様および、講師を務めていただきましたプルデンシャル生命保険株式会社のY.T様、H.M様に感謝申し上げます。

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